骨董屋って恥ずかしい職業?

実は『自分は骨董屋です』っていうの恥ずかしかったのです。だって人に言うとリアクションが微妙なんです。『大丈夫?』『怪しくない?』『儲かるの?』『暇なの?』『よく分からないけど頑張って』『俺は興味ないけど』みたいな。今でも骨董屋は市民権がないな~と思っています。誰が何を好きかは自由ですが、『服が好き』『靴が好き』『ブランド物が好き』『野球が好き』『サッカーが好き』『アニメが好き』ってあっても『骨董が好き』ってないのかな?ないんだろうな。こんなに遠慮しながらやる商売もないけど。遠い時代、自分たちが生まれる前に、作らせた人がいて、作った人がいて、買った人がいて、大事に持っていた人がいて、受け継いだ人がいて、いまなお現存している。人の想いが詰まった尊い『モノ』たち。この間に一瞬でも想いのない人の手に渡った『モノ』はこの世から消え去り、想いのある人に渡った『モノ』だけが後世に伝わるという奇跡の出逢いが自分は好きです。


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リビングにて

骨董に興味を持てない時期

『骨董=高価な美術品』『手が届かない高級品』というイメージがありませんか?実は自分も骨董は『日本の古い高価な物』という先入観があり、まったく興味もありませんでした。そんな高くていいんだか悪いんだかよくわからない物より、もっぱらリサイクルショップに並んでいる洋家具やアンティーク風の商品を買うのが好きで、価格帯は5000円以下でも5000円以上に見える商品を選ぶというのが、自分の中の1つの基準でした。それでも一店舗の中でその様な商品は少なく、東京都内→千葉県→神奈川県→埼玉県とリサイクルショップを巡り、多いときには1日10店舗、滞在時間は一店舗辺り5分程度とし、平均開店時間10時~平均閉店時間20時の間に何店舗廻れるか、どんな物に出会うかとワクワクしながら車を運転していました。仕事柄、他県への出張が多かったのもあり、関東圏内では事足りず、北は宮城県、南は愛知県までリサイクルショップと名の付く箇所を巡る様になり、あまりにもいい物に出逢わない日は、少々高くても必ず一品は買ってしまいましたね。。。せっかく行って手ぶらで帰るなんてもったいないなんて思っていた。そんな時代です。


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リサイクルショップやらネットオークションで買った人たち。

骨董とは

『骨董』とは何か。真っ先に某テレビ番組で、偽物か本物かで値段をつけてしまうあの番組を思い浮かべます。骨董(アンティーク)とは、製造から100年以上経ったものを指すことが定義付けされています。あの番組の影響で、骨董とは「偽物が多い」「本物は高い」というような骨董離れに繋がっていると思います。その反面、骨董を現代に繋ぎ止めている唯一の番組であるとも言えます。

自分が骨董に興味を持ったのは数年前です。ある日、うちの奥さんと2人で通っている亀有の整体院の待ち時間に、暇潰しで寄った大手リサイクルショップに『赤いベルベットのカウチソファー』が売っていました。何気なくその話を奥さんにしたら「素敵!」という反応だったので、びっくりさせてやろうと次の週に買ったのがきっかけでした。

これがきっかけで、自分が古物骨董オークションの主催者になるとは思いもしませんでした。。。


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自室の写真